こんな悩みを抱えていませんか?
長く働く仕事として介護職を選んで大丈夫か、キャリア形成や将来性に不安を抱く人も多いです。
この記事では、介護職の現状や実態、介護業界の将来性、介護職に就くために必要な資格や準備を解説します。
また、介護サービスの種類、介護職のやりがいや働くメリット、介護職を辞めてよかったと思える5つのポイントについても触れているので参考にしてください。
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介護職に未来はない?介護職は将来性がないと言われる理由
介護職は将来性がないと言われる理由は次の3つが挙げられます。
今後、AIやICTの導入で業務量が減る
介護業界の人手不足を解消すべく、AIやICTを介護現場に導入する取り組みが始まっています。
介護職員の業務量が減ることで介護サービスの質の向上ができると期待されていますが、これまでの業務が減る分、介護職員の必要性が低くなる可能性が出てきます。
また、業務が減ることでより専門性の高い介護スキルが求められるようになり、未経験や無資格で就職するのが難しくなるケースも増えるでしょう。
職場によって働きやすさに差がある
介護職を離れる人に多い退職理由として、人間関係の悩みや職場環境への不満が挙げられます。
介護職は介護士同士で協力したり、医療機関や他の介護サービス関係者と連携をとりながら仕事を進めます。
そのため、性格的に合わない人や変な人に出会うこともあり、人間関係に悩んで仕事を辞めてしまう人も多いです。
また、働く職場によっては人手不足が原因で長時間労働が続いたり、所定の休日に休めないこともあるので長く働けないと考える人が増えているのです。
10年後、30年後は介護ロボットが普及する
10年後、30年後は見守りロボットや排泄支援ロボットなど、介護ロボットが広く普及している可能性があります。
そのため、これまで介護職員がしてきた身体介助が減り、介護職の需要が下がる危険性があるのです。
また、介護ロボットの研究が進めば、軽度の要介護者はロボットでケアできるようになり、訪問介護やデイサービスのような一時的な介護の需要も減るでしょう。
介護業界はやばい?介護職の現実や実態
介護職に興味があっても仕事の需要はあるのか、給料や労働環境に不安を抱いている人も多いです。
介護の需要度や働いている人の年齢割合、離職率など介護の現実や実態について解説します。
介護職の需要は年々増加している
厚生労働省が調査した「令和2年度 介護保険事業状況報告(全国計)」によると、要介護認定者数は以下のとおりです。
令和元年 | 令和2年 | 前年比 | |
---|---|---|---|
第一号被保険者 | 655万8324人 | 668万8653人 | +13万329人 |
第二号被保険者 | 12万7958人 | 12万9591 | +1633人 |
1年間で要介護認定者がかなり増えていることがわかります。
今後も高齢化が加速し、さらに要介護認定者数が増加していくと考えられます。
介護職員が増えても常に人材が不足している
介護職員数も増加傾向にありますが、要介護認定者数が多すぎて常に人手が不足している状態です。
2017年 | 2018年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
訪問介護 | 50.8万人 | 55.5万人 | 54万人 |
通所介護 | 33.2万人 | 33.9万人 | 34.6万人 |
入所介護 | 95.7万人 | 97.9万人 | 99.9万人 |
小規模多機能型居宅介護など | 7万人 | 7.2万人 | 7.5万人 |
合計 | 195.1万人 | 194..4万人 | 210.6万人 |
2019年度は介護職員210.6万人に対して、要介護認定者は667万人いたので、全体の半数にも満たないことがわかります。
また、介護労働安定センターが実施した「令和2年度 介護労働実態調査」によると60.8%の人が介護職員の人手不足を実感していると回答しています。
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介護職員の年齢割合
介護の仕事は年齢制限がないのでいつでも挑戦でき、介護施設によっては定年後も働き続けられます。
年齢 | 割合 |
---|---|
30歳未満 | 6.8% |
30〜40歳 | 15.9% |
40〜50歳 | 24.5% |
50〜60歳 | 23.3% |
60〜70歳 | 17.9% |
70歳以上 | 5.9% |
介護職員の年齢割合は40〜50歳が最も多く、40〜60歳が2番目に多いです。
そのため、将来的に家族の介護をすることを考えて、40代50代から介護の道へ進むことも可能です。
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給料や雇用環境は改善されてきている
介護労働安定センターが調査した「令和2年度 介護労働実態調査」によると、介護職の月給・賞与は以下のとおりです。
平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | |
---|---|---|---|---|---|
所定内賃金 | 227,635円 | 231,161円 | 234,873円 | 234,439円 | 243,135円 |
賞与 | 560,116円 | 593,438円 | 598,379円 | 599,506円 | 626,094円 |
所定内賃金・賞与も増加傾向にあり、待遇が改善されていることがわかります。
また、2022年2月から介護職員処遇改善臨時特例交付金がはじまり、収入の3%程度の賃金が引き上げられることが決まりました。
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離職率が低くても続く人が少ない理由
介護労働安定センターが調査した「令和元年度 介護労働実態調査」によると、介護職の平均勤続年数は6.9年でした。
同じ職場で10年働いている人の割合は全体の25.3%で、10年以内に転職している人が多いことがわかります。
また、介護職の離職率は年々減少傾向にあります。
令和元年 | 15.4% |
---|---|
令和2年 | 14.9% |
令和3年 | 14.3% |
しかし、介護職は身体的負担や精神的ストレスを感じやすい仕事なので、離職率が低くても長く続かない人が多いのが現状です。
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介護サービスの種類について
介護サービスには以下の3種類があり、施設によって提供するサービスも異なります。
国が管理している介護サービス
国が管理している介護サービスは大きく3種類あります。
施設型 |
|
---|---|
通所介護サービス |
|
訪問介護サービス |
|
地方自治体が管理している介護サービス
地方自治体が管理している介護サービスは認知症高齢者や中重度の要介護者などの生活を支援することが目的とされており、以下の種類があります。
- 認知症対応型通所介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 認知症対応型共同生活介護
- 夜間対応型訪問介護
- 定期巡回・臨時対応型訪問介護看護
- 地域密着型介護老人福祉入所者生活介護
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 地域密着型通所介護
- 療養通所介護
介護保険が利用できるサービスと内容
介護保険適用のサービスとは、要介護1〜5に認定された高齢者が受けられる介護サービスのことを指し、一定割合の自己負担で受けられます。
介護保険で利用できるサービスは大きく3種類あります。
- 居宅サービス
- 地域密着型サービス
- 施設サービス
また、介護保険を使えば次のサービスを受けられます。
- 介護サービスの利用相談・ケアプランの作成
- 家事援助
- 日帰りの介護
- 長期間もしくは短期間の施設サービス
- 訪問・通い・宿泊を組み合わせた介護
- 福祉用具の利用にかかるサービス
介護職のやりがいや働くメリット
介護職のやりがいや働くメリットは次の3つが挙げられます。
感謝の言葉があるから辛くても頑張れる
介護職は利用者の生活をサポートする仕事なので、日常的に利用者や利用者の家族から感謝の言葉をもらうことが多い仕事です。
そのため、人のためになっている仕事なんだと実感でき、介護職の仕事をやっていて良かったと感じる人も多くいます。
また、利用者や家族の笑顔、家族の触れ合いを身近に感じられる職場なので、もっと仕事を頑張ろうというやる気にも繋がります。
手に職をつけられる
介護職は知識と経験を積むことで、手に職をつけられる仕事です。
資格取得や研修を修了すれば活躍の幅を広げることができ、給料アップやポジションアップなどのキャリア形成もできます。
また、万が一介護職を辞めても自分の家族の介護が必要になった際に、学んだ経験や知識を活かせます。
人生の先輩から学びを得られる
介護職は高齢者と接する機会が多いので人生経験や苦労体験など貴重な話を聞ける場合があります。
利用者と対話することで新しい知識や生活の知恵、人間としての器の大きさにも触れられるので、自分の人生観を変えるきっかけにもなります。
これから介護職に就くために必要な資格や準備はある?
介護職に就くために必要な資格や準備、研修などについて解説します。
介護職への就職を検討している人や家族のために介護知識を身につけたい人は、ぜひ参考にしましょう。
介護職は無資格・未経験からでもはじめられる
介護職は無資格・未経験、異業種からの転職でもはじめられる仕事です。
仕事をはじめてから資格の勉強をしたり、徐々にできる仕事を増やすことでキャリアアップを目指せます。
また、年齢制限を設けていない施設も多いのも特徴です。
そのため、定年後の仕事や長く働きたい人にもおすすめの職種といえます。
介護職の仕事内容・職場を知る
介護職にはさまざまな仕事があるので、具体的な仕事内容や職場環境などを就職する前に調べておくと安心です。
介護職の仕事内容
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- 更衣介助
- 移動介助
- 就寝介助
- 体位変換
- 服薬介助
- 調理・洗濯・掃除
- レクリエーション企画
- 介護記録の作成
職場環境
訪問介護 |
|
デイサービス |
|
介護付き有料老人ホーム |
|
グループホーム |
|
特別養護老人ホーム |
|
介護老人保健施設 |
|
長期的に働く場合におすすめの介護資格
介護職で長く働きたい人は次の資格を取得するのがおすすめです。
- 介護福祉士
- ケアマネージャー
- 介護職員実務者研修
介護福祉士
介護福祉士は介護業界で唯一の国家資格で、身体や精神に障害があり日常生活を送るのが困難な人のサポートをする仕事です。
試験の合格率は70%前後なので、比較的取得しやすい資格といえます。
また、役職のあるポジションに就きたかったり、転職する際にも介護福祉士の資格を持っているとかなり有利です。
ただ、介護福祉士の資格がなくても介護現場で働くことは可能なので、より専門的なケアを学びたい人は取得を検討しましょう。
ケアマネージャー
ケアマネージャーは介護サービスの計画や利用者と施設の繋ぎ役など、介護相談を担う資格です。
そのため、介護保険や介護サービス、公的制度など、介護における幅広い知識が求められます。
試験を受けるためには介護福祉士の資格を取得・5年以上の実務経験が必要なので、すぐに取得はできません。
ただし、介護職員のなかで取得している人の割合が少なく、取得すれば重宝される人材になれます。
介護職員実務者研修
介護職員実務者研修は介護福祉士の試験を受けるために必要な研修です。
研修のカリキュラムは20科目あり、全学習時間は450時間と長い研修ですが、研修を終了すれば認定が受けられ、ほぼ100%取得できる資格です。
また、介護施設によっては有資格者に手当がつく場合もあります。
そのため、長く介護職を続けたい人は取得するのがおすすめです。
介護職員初任者研修を取得する
介護職員初任者研修は介護の基本的な知識やスキルを学ぶ資格です。
食事や更衣、入浴介護のスキルも身につけられるので、訪問介護サービスに就きたい人におすすめの資格です。
130時間のカリキュラムを修了して、筆記試験に合格できれば取得できます。
また、年齢や学歴、実務経験など受験する条件がないので、介護職員初心者でも挑戦しやすいです。
転職を検討している人必見!介護職を辞めてよかったと思える5つのポイント
介護職を辞めて他の仕事に就きたいけど、本当に辞めていいのかわからなくて不安になる人も多いです。
ただ、介護職を辞めてよかったと思える人も多くいるので、転職を悩んでいる人や転職後に後悔したくない人は、ぜひ参考にしましょう。
人間関係の悩みがなくなる
介護の現場では多くの関係者と協力しながら仕事をするので、入居者とのコミュニケーション以上に職場スタッフとの付き合いが重要です。
そのため、介護職で働く人のなかには人間関係に悩んで辞めたいと考える人も多いです。
介護職を辞めることで人間関係の悩みが解消され、人付き合いや気遣いなどのストレスがなくなります。
また、職場の上下関係やいじめ、入居者との接し方などの悩みからも解放されるので、介護職を辞めて正解だったという声も多いです。
転職で給料が上がった
介護職は日勤や夜勤など不規則な勤務時間を強いられる場合も多く、仕事の大変さに対して給料が安いことに不満を抱いている人もいます。
介護報酬は国によって決められているので、企業努力だけでは収益を増やせません。
また、介護は無資格・未経験でも就ける仕事なので、非正規雇用で働く人の給料は正社員に比べてかなり低く設定されています。
他業種へ転職することで規則的な時間で働けたり、身体的負担の軽減、給料アップを期待できるのです。
プライベートを楽しむ余裕ができる
介護職は土日や祝日にシフトが入ったり、担当する仕事によっては長期休暇が取りづらい場合もあります。
また、体力や精神力を使う仕事なので、休日は身体を休めるだけで1日が終わってしまう人も多いです。
転職すれば所定の休日にしっかり休むことができ、家族や友人と過ごす時間も増やせます。
プライベートが充実すれば心にも余裕ができるので、ワークライフバランスも取りやすくなります。
身体的・精神的負担が減る
介護職から離れる最大のメリットは身体的・精神的負担の軽減です。
介護の仕事は入浴介助や食事介助、排泄介助など、力仕事の場面が多くあり、無理をして仕事をしていると、腰痛や腱鞘炎など身体を壊す場合もあります。
そのため、きつさに耐えて介護職を続けるより、身体的・精神的負担が少ない仕事に転職する方が長く働けます。
また、加齢による体力低下を気にする心配も減るので、身体に無理なく働きたい人は介護職から転職することも視野に入れましょう。
生活習慣が安定する
介護職を辞めることで生活習慣が安定したという人も多いです。
介護業界は需要が高い反面、人手が足りていない現場も多くあります。
そのため、長時間労働や日勤・夜勤のシフト、休日出勤など不規則な生活が続く場合があり、体調や心のバランスが取りづらいです。
他業種へ転職すれば残業も減り、決まった休みを取れるので規則的な生活が送れるようになります。
「介護職を辞めたいけど、転職に有効な選択肢はなに?」「介護職からの転職におすすめの職業・職種を知りたい」このような悩みや疑問を抱えていませんか?この記事では、介護職からの転職についてご紹介します。最後まで読む[…]
介護職のキャリアパス
介護職のキャリアパスは次の2つの方法があります。
専門的な仕事ができる資格を取得する
専門的な仕事や資格手当をもらいたい人は以下の資格取得を検討しましょう。
学習期間の目安 | 費用の目安 | |
---|---|---|
介護職員初任者研修 | 1〜4ヵ月 | 4〜10万円 |
介護福祉士実務者研修 | 2〜6ヵ月 | 3〜25万円 |
介護福祉士 | 6ヵ月 | 3〜10万円 ※養成施設ルートの場合:100〜200万円 |
認定介護福祉士 | 1年半以上 | 介護福祉士会の会員:30万円 介護福祉士会の非会員:60万円 |
ケアマネージャー | 6ヵ月 | 3〜5万円 |
介護福祉士は国家資格なので平均給与が高く設定されていることが多く、給料アップや転職に有利です。
ただ、資格によっては一定期間の実務経験が必要な場合もあるので、資格取得を検討したら早めに情報を調べておきましょう。
管理職など施設内で役職アップを狙う
豊富な介護経験とマネジメント能力があれば、管理職などの役職に就いてキャリアアップを目指せます。
ただし、施設によっては管理職に就けるのは有資格者のみとしている場合が多いです。
そのため、介護職でキャリアアップを目指すなら、できるだけ早めに資格を取得しておきましょう。
また、スタッフ教育や利用者家族とのコミュニケーションなど、介護とは直接関係ない部分も職場内での評価に繋がるので日ごろから意識しておきましょう。
まとめ
介護職は将来性がないと言われる理由や介護職の現状や実態、介護職に就くために必要な資格や準備などを解説しました。
無資格や未経験でも介護職に就けますが、長く仕事を続けたい人やキャリアアップしたい人は資格や役職に就くのがおすすめです。
また、介護職に就くことで家族に介護が必要になった時、仕事の経験や知識を活かせます。
まずは、どの介護職が自分に向いているか調べて、キャリアプランを計画しましょう。